熱帯魚の飼育において忘れてはならないエサの種類を解説しています。
熱帯魚を飼育する上でエサの種類と与え方は最も重要なポイントのひとつです。油分や不純物の少ない良質のエサであれば水面にも油膜がほとんど発生せず、良く食べるエサは残りエサも出にくくなり、水への影響を最小限に押さえられるため、水槽内における自然のサイクルを保つ上での管理の手間も軽減されるでしょう。
もちろんエサの質や量が適切であれば、自然のサイクルを保ちやすくなるだけでなく、飼育している熱帯魚も整った体型を保ちながら美しく成長し、抵抗力もついて病気にもかかりにくくなり、十分な栄養を得た成魚はやがて卵を抱え、うまくいけば繁殖にもつながります。
こうしたことからも熱帯魚のエサについては常にその重要性を認識しておくことが大切です。この章では、どのエサを主食にするかを決めるためにも、まずはエサの種類について解説してみたいと思います。なお、エサの与え方については「熱帯魚の飼い方」の章をご覧ください。
熱帯魚は種類によって食性も様々で、小型魚では昆虫やプランクトンなどを食べている種類が多く、昆虫食でも底に沈んでいる水生昆虫を好む熱帯魚もいれば、いつも水面近くにいて昆虫が落ちてくるのを待っている熱帯魚もいます。
また、生きエサ以外はほとんど食べてくれない熱帯魚もいますので、こうした種類の熱帯魚を飼育する場合には、事前に生きエサを常時ストックしておくことができるかどうかを考えておく必要があります。