熱帯魚

熱帯魚の繁殖|小さな熱帯魚の楽しみ方

熱帯魚のブリーディングに役立つ知識を解説しています。

熱帯魚の繁殖について

熱帯魚の繁殖は意外なほど手の届きやすい目標です。小さな熱帯魚であれば数リットルの水槽から繁殖が可能で、特別な装置なども必要ありません。ここでは小さな熱帯魚の中から、初めての方にも楽しめるような繁殖のやさしい種類と、その殖やし方についてご紹介していきます。

繁殖しやすい卵生の熱帯魚

卵生魚は水草に卵を生み付けたり、巣を作って卵を保護したりと、その産卵方法も種類によって様々です。一般に稚魚が小さく遊泳力が弱いので、強力な濾過器をつけると吸い込まれてしまう危険があります。このため、濾過器を使わずに自然の調和によって水質を維持するようなセッティングが適しています。

ランプアイ

ランプアイ

ランプアイは粘着性のある卵を水草に生み付けていく熱帯卵生メダカの一種で、自然繁殖によって殖えていく熱帯魚の代表的な種類です。水草をたくさん植えた水槽に数匹のランプアイだけを入れて、朝夕に十分なエサを与えているだけで自然に殖えていきます。稚魚や卵を食べられてしまわないよう、他の熱帯魚を入れないことがポイントです。

ランプアイの稚魚は水槽内の微生物を食べながら少しづつ成長しますが、ある程度の大きさに育った稚魚には孵化したてのブラインシュリンプ幼生を与えて育てると、その後の生存率はかなり高くなります。

稚魚がたいへん小さく、少し成長するまではブラインシュリンプ幼生を食べられないため、人工繁殖には不向きです。

繁殖しやすい卵胎生の熱帯魚

卵胎生魚は卵ではなく稚魚を産む熱帯魚です。産卵箱を使えば混泳水槽でも繁殖させることができます。

プラティ

プラティ

プラティは鮮やかな原色と愛らしい体型が魅力的な熱帯魚で、卵胎生魚の中では最も丈夫で育てやすい種類です。本来は弱アルカリ性の水質を好みますが、長い養殖の歴史によって水質にはかなりの順応性を備えていますので、ソイルを敷いた弱酸性の環境でも飼育繁殖が可能です。

産仔の兆しがわかりにくいので、お腹が大きくなったメスは早めに産卵箱に入れておきます。産仔後のメスは混泳水槽に戻しますが、稚魚は少し大きくなるまで産卵箱で育ててから混泳水槽に放してあげます。稚魚も人工飼料を食べてくれるため、特別な生きエサを用意する必要もなく、とても楽に育てることができます。

親とそっくりの色模様をした稚魚はまるでミニチュアのようで、本当に愛らしいことこの上ありません。稚魚も丈夫で育てやすく、最も殖やしやすい熱帯魚のひとつです。

なお、水草水槽にプラティだけを入れておけば自然繁殖も可能です。たいへん良く殖えますので、あまり小さな水槽ではすぐいっぱいになってしまうため、その場合はオスとメスを分けて飼育するか、少し大きめの水槽を用意してあげます。


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